福島県知事選から読み解く内堀県政の展望
医療ジャーナリスト
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1967年福島県生まれ。1990年千葉大学文学部行動科学科卒業。同年福島民友新聞社入社。マイアミ大学医学部移植外科、フィリピン大学哲学科などの客員研究員、国会議員公設秘書を経て、2011年よりフリー。
福島県をはじめとする全国各地の住民が、2011年3月の原発事故当時の東京電力の幹部や菅直人首相、原子力安全保安院長、文科省担当局長らを業務上過失致死傷罪や公害犯罪処罰法(公害罪)などの疑いで東京、福島地検に刑事告訴・告発していた問題で、東京地検は9日、全員を不起訴とする処分を発表した。
東京地検の不起訴処分は、この日、突然に発表された。告発をしたグループのうち、福島県民を中心とする「福島原発告訴団」(武藤類子団長)は、9日昼ごろに突然、「事件を東京地検に移送した」と福島地検から連絡を受けた。その1時間後、東京地検から「被告発人全員を不起訴にした」との決定を受けた。
東京地検は同日の記者レクで、「巨大な津波に対する予見可能性は問えない」などとし、業務上過失致死傷には当たらないと判断した理由などを説明した。
福島地検に告発した福島原発告訴団の武藤団長らは同日記者会見し、「強制捜査が行われないまま、今も汚染水の被害が拡大している現状で全員不起訴の決定は受け入れがたい。福島地検から東京地検に事件移送された後、わずか1時間で決定が出たのも遺憾」と批判。東京地検に事件が移送されたことで、結局地元・福島地検で最終決定が行われなかった。今後、告訴団は検察審査会への申立てを予定しているが、東京が審査の舞台になる可能性が高く、被災住民から遠いところで審査行われることへの問題点も指摘した。
このほか深刻な問題になっている汚染水漏れ問題について9月3日、東電を公害罪で訴える告発状が県警に提出されたことや、8日に2020年オリンピックの東京開催が決定した裏で、安倍首相が汚染水漏れについて「東京には影響がない」などとメディアの質問に答え、「被災地福島の切り捨て」が進んでいると県民の批判の声が高まっている問題などについて、医療ジャーナリストの藍原寛子氏と神保哲生が議論した。