福島県知事選から読み解く内堀県政の展望
医療ジャーナリスト
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967年福島県生まれ。1990年千葉大学文学部行動科学科卒業。同年福島民友新聞社入社。マイアミ大学医学部移植外科、フィリピン大学哲学科などの客員研究員、国会議員公設秘書を経て、2011年よりフリー。
郡山市の小中学生が今年6月、郡山市に集団疎開を求めていた裁判で、福島地裁は12月16日、小中学生の申し立てを却下する決定を出した。
この裁判は郡山市に住む14人の小中学生が、放射線の空間線量が毎時0.2マイクロシーベルト未満の学校への疎開を求め、福島地裁郡山支部に仮処分を申請していたもの。
福島地裁は「一律に教育活動の差し止めをするほど、身体や生命に対する切迫した危険性は認められない」「除染や屋外活動の制限で損害を避けることができる」などと、切迫した被ばくの危険性を否定しただけでなく、「通学する学校の他の児童生徒の教育活動の実施を全て差し止めることなどを求めるものと認められ、厳格な運用が必要」と、14人以外にも債権者を拡大して、申し立てを却下した。
「ふくしま集団疎開裁判」として注目されるこの仮処分申請は、あくまで14人の小中学生が債権者であり、それ以外の児童生徒は債権者ではない。ところが、裁判所は、「債権者の主張を認めると他の児童生徒の教育活動の差し止めも認めることになる」と解釈し、そこまで切迫した状況にはないとの判断を下している。このように申し立てを行っていない者を裁判所の判断で債権者に含め、それを理由に決定を下すのは極めて異例で、債権者側は「民事の冤罪事件で、重大な誤判」と指摘する。
債権者代理人で弁護団長を務める柳原敏夫弁護士と、チェルノブイリ原発事故と同じレベルの郡山市内の汚染地域における被ばく影響を債権者側意見書で出した矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授に、神保哲生と藍原寛子が今回の仮処分申請の争点と裁判所の決定の問題点などを聞いた。