2011年09月17日公開

誰のための放射線国際会議なのか

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ゲスト

1967年福島県生まれ。1990年千葉大学文学部行動科学科卒業。同年福島民友新聞社入社。マイアミ大学医学部移植外科、フィリピン大学哲学科などの客員研究員、国会議員公設秘書を経て、2011年よりフリー。

司会

概要

 「放射線と健康リスク」と題した国際専門家会議が震災から半年を迎えた11日から2日間の日程で、福島市の福島県立医大で開催され、国際放射線防護委員会(ICRP)や国連科学委員会(UNSCFAR)、国際原子力機構(IAEA)など、国際原子力関係機関の専門家が医療被ばくや情報提供などの支援を行うことを決めた。
 この会議は日本財団が主催、ICRP、福島県医師会、福島県立医大、放射線医学総合研究所(放医研)などが共催、ロシア、アメリカ、ウクライナ、英国などから放射線防護の専門家ら約400人が参加した。
 会議では「被ばくリスクは低いが、精神的、経済的なダメージが考えられるため、線量モニタリングなど環境監視を続け、情報提供を行う」ことや、国際機関の専門家が今後、連携して支援していく方針を決定した。また、今回の事故の教訓を得るためタスクフォース(専門委員会)を設置し、国際的な複数のプロジェクト立ち上げや、専門家会議の開催、放射線被ばく医療の支援を行うなどの案をまとめた。
 組織委員会の山下俊一福島県立医大副学長ら出席者は、今後実施予定の約200万人の県民を対象にした県民健康管理調査実施の妥当性と、県民への調査参加の呼び掛け、「福島は線量が低く安全である。チェルノブイリとは違う」とのアピールをした。
 会議の模様はインターネットで中継放送されたが、「会場の広さの都合」を理由に一般の県民には議場での傍聴は認められなかった。会場の外では市民団体が「調査はするが治療はしない第二のABCC(原爆被害調査委員会)にするな」と、広島・長崎の原爆調査を行った日米共同調査委員会の名を上げながら、デモ活動を行った。
 そもそもこの国際会議は誰のために行われたものなのか。県民健康管理調査は本当に県民のためになるのか。医療ジャーナリストの藍原寛子氏が会議の内容と課題をレポートする。

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