2024年07月18日公開

産業別労働組合であるが故に弾圧されている

関生支部の執行委員長らが会見

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ゲスト

全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 執行委員長
今栖産業株式会社 代表取締役

概要

 組合運動が威力業務妨害や恐喝とみなされ組合員が相次いで逮捕されている全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生支部)の幹部らが7月18日、日本外国特派員協会で会見し、組合運動に対する警察捜査の不当性を訴えた。

 会見を行ったのは関生支部の湯川裕司執行委員長と、生コンクリート業者「今栖産業」の島田弦季代表取締役、湯川氏の弁護人を務める中井雅人弁護士の3人。

 関生支部は関西地方の生コンクリートを運ぶミキサー車の運転手らで組織される産業別労働組合。企業別労働組合が主流の日本では、企業の垣根を越えた産業別労働組合は異色の存在となっている。大阪、京都、滋賀、和歌山の4府県で2018年以降、関生の組合員ら延べ89人が威力業務妨害などの疑いで逮捕されている。

 委員長の湯川氏自身も威力業務妨害や恐喝の疑いで8度にわたり逮捕され、黙秘をしたために勾留期間は644日に及んだという。2023年3月2日、滋賀県の大津地裁は湯川氏に懲役4年の判決を言い渡した。湯川氏は控訴し、今も係争中だ。

 湯川氏は会見で、企業別労働組合が主流となっている日本で戦前から産業別労働組合が弾圧されてきた歴史に触れ、「ストライキなどをする労働組合は反社会勢力だという位置付けにして、国家権力が弾圧してきた」と述べた。また「この国は民主主義国家なのか。少なくとも産業民主主義ではない」と語った。

 同一企業の社員で構成される企業別労働組合は、ストライキを打つとその企業が競合他社との競争で不利になるため、ストを打ちにくいなどの欠点がある。これに対し、企業の枠を超えて産業を横断した産業別労働組合は、競合他社を有利にすることなくストが打てるなどの利点があり、組合の発言力もより大きくなる。

 中井弁護士は実際に暴力が行われたケースは1つもないことを強調した上で、一連の逮捕の不当性を訴えた。

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