最高裁は捜査官のリークを肯定するのか 弘中惇一郎氏(弁護士・村木厚子氏リーク裁判代理人)
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出版社KADOKAWAの角川歴彦元会長は6月27日、違法な勾留と取り調べをしたとして国に2億2,000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴したことを明らかにした。提訴後、角川氏は代理人弁護士らと日本外国特派員協会で会見した。
角川氏は2022年9月、2020年東京五輪のスポンサー選定を担当していた電通の幹部に、自社に有利なスポンサー契約を結ぶ目的で賄賂を渡したとして逮捕され、10月に起訴された。角川氏は一貫して容疑を否認してきたが、逮捕の後、角川氏の勾留は起訴後も続き、2023年4月に5度目の保釈請求で保釈が認められた時、勾留期間は226日に及んでいた。
勾留時79歳だった角川氏は拘置所の中で「もう命が限界だ」と感じた時があったという。また勾留中、いつかは裁判官が保釈を認めてくれるという期待が募ったが、4度の保釈請求はことごとく却下されたという。さらに検察官から、容疑を否認する限り生きて拘置所を出られないとまで言われたという。国賠訴訟で勾留中に違法に精神的及び身体的な苦痛を与えられたとしている角川氏は、その行為が日本国憲法と国際人道法に違反していると述べた。
また、今回の国賠訴訟と並行して、角川氏は同日、日本の人質司法の違法性を国連人権理事会の恣意的拘禁ワーキンググループに通報したという。
角川氏は「自分の人権を日本という国が守ってくれないので、この体験を国連に持っていくことにした」とし、国際人権法によって日本政府の姿勢が正されることを期待すると語った。また「自分の体験を普遍化し、日本の社会が変わっていくためのステップにしたいと考えるようになった」とも語った。
角川氏の弁護団で主任代理人を務める元裁判官の村山浩昭弁護士は、「人質司法がいかに憲法が保障する人権を侵害し、国際的な人権条項に違反しているかをこの裁判で論証していく」とした。村山弁護士は2014年、袴田事件の再審と袴田氏釈放の決定を出したことで知られる。
角川氏の弁護団には村山氏の他、弘中惇一郎、海渡雄一、喜田村洋一、伊藤真弁護士ら9人の弁護士が名を連ねている。