五輪談合事件に見る、捜査能力の劣化で人質司法に頼らざるをえない特捜検察の断末魔
弁護士
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東京五輪・パラリンピックをめぐる談合事件で、独占禁止法違反の疑いで逮捕・起訴されたイベント制作会社のセレスポと専務・鎌田義次被告の第二回公判が2月27日、東京地裁で行われ、今回証人として出廷したセレスポの稲葉利彦会長と被告の主任弁護人の郷原信郎氏が会見を行った。
稲葉氏は会見で、五輪での事業は「セレスポの社員400人が力を合わせて何とか成功させた」ものであり、「不正確な捜査により、社員たちや家族の誇りはズタズタにされた」と、捜査の不当性を訴えた。
稲葉氏はまた、自身が検察の事情聴取を受けた際に、検察の見立てに合わない発言は取り合ってもらえないばかりか、検察側の言い分通りの供述を強いられそうになったとして、日本の司法制度に対する不信感を露わにした。
被告の鎌田氏は196日間勾留された後、6回目の保釈請求で昨年8月に保釈されたが、その際に会社関係者や事件関係者との接触を一切禁止する保釈条件が付されていた。
弁護人の郷原氏は、その時点での厳しい保釈条件はやむを得ないとしても、その後、公判前整理手続きで証拠の選定が終わり、公判も始まった今、罪証隠滅の可能性はなくなっていると主張。この条件が取り下げられないために、保釈後も鎌田氏はセレスポ取締役としての業務を遂行することが困難になっているとして、これを「第二の人質司法」だと批判した。