完全版視聴期間 |
(期限はありません) |
---|
1999年に週刊文春がジャニーズ事務所から名誉毀損で訴えられた裁判で、文春側の弁護人を務めた喜田村洋一弁護士が6月14日、日本記者クラブで会見し、裁判の経緯やジャニーズ事務所が果たすべき責任などについて語った。
この裁判は週刊文春が元ジャニーズ所属タレントからの証言をもとに、喜多川氏によるセクハラ加害の実態をシリーズで報道したことに対し、1999年11月にジャニーズ事務所と喜多川氏個人が文春を名誉毀損で提訴したもの。2002年の地裁判決は少年たちの証言には信用性が欠けるとして文春全面敗訴の判断が下されたが、2003年の高裁判決ではセクハラ行為の真実性が認定され、文春側が一部勝訴していた。2004年には最高裁がジャニー氏らの上告を棄却し、高裁判決が確定している。
この裁判では控訴審の公判の場で喜田村氏がジャニー氏に対し、なぜ少年たちは嘘をついていると思うかを繰り返し問い質したところ、回答に詰まったジャニー氏が最後に「彼らが嘘の証言をしたということを、僕は明確には言い難いです」と答え、それが性加害の認定につながったとされている。
この裁判によって2004年の段階で性被害の存在が確認されていたにもかかわらず、その後、週刊文春以外の報道機関がジャニーズ問題を報じなかったことについて喜田村氏は、当時のハラスメントに対する意識の低さや男児の性被害に対する関心の低さなどに加え、その後もジャニーズ事務所に所属するタレントを起用し続けたいメディア側の思惑や忖度があったとの批判的な見方を示した。
ジャニーズ事務所の責任の取り方について喜田村氏は、高裁判決確定後、ただちに経営陣は対策を検討し行動を起こすべきであったが、何ら対策を講じないばかりかジャニー氏による性加害をその後も野放しにしていたことの重大性を強調した上で、直ちに事務所として事実を認定し、被害者に対する救済などのアクションを起こすことが必要だと語った。