完全版視聴期間 |
(期限はありません) |
---|
収賄容疑で逆転有罪判決を受け、最高裁に上告していた美濃加茂市の藤井浩人市長の弁護団は2月7日、東京霞が関の司法記者クラブで会見を行い、上告審に向けて3人の弁護人を加えた新たな布陣を発表した。
上告審から弁護団に加わったのは、元東京高裁判事の原田國男弁護士、いわゆるロス疑惑の三浦和義被告や薬害エイズ事件の安部英被告の無罪を勝ち取ったことで知られる喜田村洋一弁護士と、原田弁護士の事務所に所属する若手弁護士の吉峯耕平氏の3名。
新たな弁護体制について藤井浩人市長は会見で、「この大変心強い弁護団の先生方と誤った控訴審判決を覆せるよう、戦っていくことができること、大変心強く思っている。美濃加茂市民にもしっかりと裁判の状況を伝えながら進めていきたい」と語り、最高裁での逆転無罪への期待を滲ませた。
また、主任弁護人を務める郷原信郎弁護士は、2月3日付で最高裁から上告趣意書の提出期限が通知されてきたことから、上告が正式に受理されたことを明らかにした。郷原氏によると、最高裁の通知では上告趣意書の提出期限が3月16日に設定されているが、新たな弁護体制を組んだことから、提出期限の延長を要請することになる見通しだという。
藤井市長は2014年、市長が市議会議員当時に名古屋市の業者から30万円の賄賂を受け取ったとして逮捕、起訴されたが、一審で名古屋地裁は無罪判決を言い渡していた。しかし、名古屋高裁が2016年に逆転有罪を言い渡し、藤井氏が即日上告していた。
名古屋高裁の判決について新たに弁護団に加わった原田弁護士は、最高裁の判例は判事の心象論だけで一審判決を覆すことができないことを示しているとした上で、最高裁に対して「もう一回警鐘を鳴らす価値は十分にあると感じた」と、弁護団に加わった理由を説明した。
喜田村弁護士は、名古屋高裁が一審の証拠のみに基づき、被告人である藤井市長に直接尋問もせずに逆転有罪判決を言い渡したことは、刑事裁判の基本である「直接主義」に反するとして、「単なる事実認定の問題ではなく裁判所の手続きのあり方を争う、最高裁として判断する相応しい事件だ」と語った。