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民進党のサミット調査チームは5月27日、国会内で会合を開き、安倍首相がサミットの討議の場で現在の世界の経済状況が「リーマンショック前と似ている」とする根拠として提出した資料が作成された経緯を、関係省庁の担当者からヒアリングを行った。
一部メディアが報じているように、安倍首相はサミットの討議の場で、「リーマンショック直前の洞爺湖サミットで危機の発生を防ぐことができなかった。その轍は踏みたくない。世界経済は分岐点にある。政策対応を誤ると、危機に陥るリスクがあるのは認識しておかなければならない」と話し、積極的な財政出動の必要性を訴えたが、イギリスのキャメロン首相らから、「危機は言い過ぎだ」などの指摘が出たために、サミットの共同声明の世界経済に対する認識の下りはかなりトーンダウンした内容になっていた。
安倍首相は来年4月に予定される消費増税について、「リーマンショックや大震災のような事態が発生しない限り実施する」と国会などで発言してきた。世界の指導者が集まるサミットの場で、現在の世界の経済情勢がリーマンショック前に似ているとの同意を得ることができれば、晴れて増税先送りの口実にできたはずだった。
この日のヒアリングでは、サミットの討議の場で首相が唐突にリーマンショック前夜を持ち出した際に各国の首脳に提示した4枚の資料の出どころを担当者から質した。この資料には、日本政府が正規の手続きで採用し発表していた世界経済の状況判断とはかけ離れた内容のことが書かれていたからだ。
その結果、サミットを担当する外務省経済局政策課の首席事務官も、月例経済報告で世界経済の現状と見通しを担当する内閣府も、また財務省も、この資料の作成には関わっていないことが明らかになった。