五輪談合事件に見る、捜査能力の劣化で人質司法に頼らざるをえない特捜検察の断末魔
弁護士
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オリンピック組織委員会の武藤敏郎事務局長は9月1日記者会見を行い、盗作ではないかと物議を醸していた2020年東京五輪のエンブレムを撤回し、新たなデザインのエンブレムを公募で決定する意向を表明した。
東京五輪のエンブレムについては、公募による審査を経て、7月24日に、グラフィック・デザイナーの佐野研二郎氏による案に決定していた。しかし、そのデザインがベルギーのリエージュ劇場のロゴマークと似ているとして、劇場側が国際オリンピック委員会(IOC)に対してエンブレム使用差し止めを求める訴訟を起こす事態となっていた。また、過去の佐野氏による他のデザインについても、ネット上で盗作や剽窃が指摘され、批判が高まっていた。
組織委は8月28日に記者会見を開き、佐野氏の応募段階での原案は、リエージュ劇場のロゴとは大きく異なるものだったことを公表した上で、模倣にはあたらないとの見解を示していた。しかし、その際に公開された佐野氏の原案が、2013年に開かれたドイツのタイポグラファーのヤン・チヒョルト氏の展覧会のポスターのデザインからの模倣の疑いが指摘されるなど、盗作疑惑に拍車が掛かる事態を招いていた。
武藤事務総長は会見のなかで、佐野氏自身から「自身が家族に対する中傷や誹謗」を理由に、エンブレムを取り下げたいとの申し出があったことを明らかにした上で、専門家の意見では盗作や模倣には当たらないということだったが、それでは「一般国民の理解が得られない」と判断したと説明した。
また、武藤氏は審査段階で佐野氏がエンブレムの展開例として使用した羽田空港と渋谷駅前の画像については、著作権者の許可なく転用していたことを佐野氏自身が認めたと述べた。