「防衛政策の大転換」で日本はハイブリッド戦争に太刀打ちできるか
元陸将・陸上自衛隊東北方面総監
完全版視聴期間 |
(期限はありません) |
---|
維新の党の松野頼久代表と小野次郎・党安全保障調査会長が7月9日、外国特派員協会で会見を行い、武力行使の要件として新たに武力攻撃危機事態を加えた独自の安全保障法案を提出したことを明らかにした。
維新の党の松野代表は「我々の政党はなんでも反対する政党ではない。独自案として国会に提出し、政府案と国民の皆さんに対比してもらおうと思い提出した」と、法案提出の理由を説明した。
維新の党が提出したの安全保障法案は、自衛権行使の要件として政府が定義する「存立危機事態」とは異なり、米軍が攻撃を受け、更に日本に対する武力攻撃が行われる蓋然性が高い時に限り、武力行使を認める内容となっている。
政府案の「存立危機事態」では日本が武力攻撃ができる場合として、日本に対する攻撃が生じる恐れの有無は条件とされておらず、単に「国の存立が脅かされ、国民の生命、財産、幸福が覆される場合」に武力行使ができる。この要件では政府の裁量が大きすぎるため、恣意的な運用がなされる恐れがあるとして、野党や憲法学者などから批判が相次いでいた。
現行法では外国から武力攻撃を受ける恐れが高い状態は「武力行使切迫事態」と定義され、政府は自衛隊に出動命令を出すことはできるが、武力行使まではできなかった。維新案では米軍が攻撃されるという前提の下で、日本も攻撃されう恐れがあれば、武力行使を可能とするもので、一部ではこれも集団的自衛権の行使に当たるとの指摘もある。
しかし、会見に同席した憲法学者で慶応大学名誉教授の小林節氏は、「日本を守るために活動している米軍」が攻撃された場合は、これを日本に対する攻撃と同等のものと解することができるため、個別的自衛権として武力行使を行うことは可能との見方を示し、これは集団的自衛権の行使には当たらないと指摘した。
ビデオニュース・ドットコムでは外国特派員協会の会見を、ノーカットで放送中。