「防衛政策の大転換」で日本はハイブリッド戦争に太刀打ちできるか
元陸将・陸上自衛隊東北方面総監
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1981年上智大学外国語学部卒。同大学国際関係学研究科修士課程修了。マサチューセッツ工科大学政治学研究科博士課程修。政治学博士(Ph.D.)。朝日新聞記者、北京大学客員研究員、防衛省防衛研究所主任研究官、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科准教授などを経て2009年より現職。マサチューセッツ工科大学国際研究センター 安全保障プログラム客員研究員を兼務。著書に『平和のための戦争論-集団的自衛権は何をもたらすのか?』、『アクセス安全保障論』(共著)など。
安全保障論が専門の植木千可子早稲田大学国際学術院教授が5月14日、日本記者クラブで講演し、安倍政権が推し進める「安保法制」によって日本が集団的自衛権の行使が可能になることで、中国に対する抑止効果は高まらないとの見方を示した。
植木氏は抑止が働くためには、武力行使に対して報復を受ける基準の明確化が必須となるが、国家の「存立の危機」を条件とする今回の「安保法制」には武力行使の明確な基準がない。そのため中国に対して、この線を越えれば激しい報復を受けるからやめておこうと思わせるような「抑止効果」が期待できないと指摘した。
また、もはやアメリカは中国と経済的な共存関係にあり、「不要な対立は避けたい」との思いが強いため、安倍政権が期待する米国との強い連携による抑止効果は、日本側の一方的な期待にとどまる可能性が高いと語った。