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一票の格差が最大で4.77倍だった2013年の参院選は法の前の平等を定めた憲法第14条に違反するとして、2つの弁護士グループが全国16カ所で争っていた裁判で、最高裁は11月26日、「違憲状態」との判断を下した。しかし、選挙制度を変更するために必要とされる合理的な時間は経過していないとして、選挙を無効とするところまでは踏み込まなかった。
2013年の参院選の定数は12年11月に選挙区割りに「4増4減」の変更を加えた後の初めての選挙だったが、最高裁は「著しい不平等状態を解消するには足りない」として、12年10月に引き続き、違憲状態にあるとした。また、都道府県単位の区割は選挙区の単位として合理的とは言えなくなっていると指摘し、選挙制度の抜本的な改革を促した。
判決を受けて、山口邦明弁護士らのグループと升永英俊弁護士らのグループが、それぞれ記者会見した。
山口弁護士は、高裁で「違憲」とされた東京選挙区が最高裁では「違憲状態」になったことへの悔しさを滲ませたが、都道府県の区割りを変更してでも平等を実現すべきだと裁判所が政界に対して強いメッセージを発したとして、「最高裁の判決を評価したい」と語った。
また、12月14日に行われる衆院選選挙に対する差し止め訴訟を起こした國部徹弁護士はこの日、東京高裁から衆院選の差し止め訴訟に不適合の決定が出たことを報告し、「選挙前の手続きで駄目だというなら、選挙後の手続きできちんと判断して貰いたい。流れをちょっとでも作っていきたい」と語った。
升永英俊弁護士は、「人口比例でなければ憲法違反であるとする裁判官が増えた」と今回の判決を評し、12月14日の国民審査の判断材料になると主張した。
久保利英明弁護士は、補足意見で「本来違憲状態を解消し、民意を適正に反映する選挙制度を構築することは国民全体のために優先して取り組むべき喫緊の課題である」と5人の裁判官が記述した点に触れ、「色んな問題があるが、次の選挙が20日後にあるという今の時期に出た判決としては非常に高く評価出来る」と語った。