五輪談合事件に見る、捜査能力の劣化で人質司法に頼らざるをえない特捜検察の断末魔
弁護士
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雨水浄水設備の導入をめぐり30万円の賄賂を受け取ったとして受託収賄罪などに問われた岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長の第7回公判が11月19日、名古屋地裁で開かれた。
この日の公判には、市長に賄賂を渡したと証言する浄水設備の設置業者社長の中林正善氏(別の詐欺事件で起訴)と、中林氏と同じ留置場の隣の房で2014年4月から2か月間過ごし、その後文通をする仲にあった男性が証人として出廷し、2人が同席した状態で証言する「対質形式」で行われた。
この男性は留置場やその後の文通を通じて、中林氏が検察と共謀して藤井氏から賄賂を受け取った状況などを証言しているなどを、中林氏自身から聞いたと主張していた。
藤井氏の主任弁護人を務める郷原信郎弁護士は公判後の会見で、この公判で検察と中林氏の癒着関係がが明らかになったと指摘する。口裏合わせを防ぐために、弁護団は名古屋地検に対して、公判までは中林氏に接触しないよう要請する文書を提出していた。しかし、この公判で検察が最低でも6~7回は中林氏と打ち合わせをしていたことが明らかになっていた。
「検察官とこんなに打ち合わせをしていると全く予想していなかった。非常に許し難い」と郷原氏は検察を厳しく批判した。
公判は12月19日に論告求刑、24日に最終弁論が行われた上で、判決言い渡しは年明けになる予定。