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マンション建設をめぐり、市長が在任中に行った行為が市に損害を与えたとして、国立市が同市の上原公子元市長に損害賠償を求めていた裁判で、東京地裁は9月25日、請求を棄却する判決を言い渡した。
この裁判は不動産デベロッパーの明和地所が、1999年に国立市内に建設を計画していた地上18階建てのマンションについて、当時の上原市長が、景観保持を理由に建設を妨害したとして、市が3000万円あまりの賠償金を支払ったことに対し、国立市が上原氏個人に賠償金と同額を請求していたというもの。
裁判の結果、市は2008年に明和地所に3000万円あまりの賠償金を支払ったが、その後、国立市在住の市民4人が、明和地所に支払った損害賠償金と同額を、国立市が上原市個人に対して請求するよう提訴し、2010年、東京地裁でそれが認められていた。
今回の裁判では、その決定を受けて、国立市が上原氏個人に3000万円あまりを賠償請求していた。
判決は、国立市議会が2013年12月に、元市長に対する賠償請求権の放棄を可決した点を重く評価。現市長がそれに異議を申し立てることもせず、そのまま請求を続けたことは「信義則に反する」として、国立市の訴えを退けた。
また、元市長の行為は、景観保持という政治理念に基づくもので、私的利益も得ていない点を評価した上で、違法性は低いと判断した。
判決の後に上原公子元市長は弁護団と記者会見し、「(裁判は)地方自治の首長のあり方問題として闘ってきた。訴えをすべて認めてもらったと思っている」と語った。