関東大震災から100年の節目に考える地震と原発と日本
元裁判官
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東電株主代表訴訟の原告団は6月19日、東京電力側が福島第一原発事故当時、津波を予見できなかったと主張していることに対し、先に福井地裁で言い渡された大飯原発の差し止め訴訟判決で、電力会社側の注意義務が十分に確立されていると反論する書面を東京地裁に提出したと発表した。
福井地裁は5月21日の大飯原発差止請求を認める判決の中で、事故が起きれば人格権が広汎に奪われる可能性がある原発について、電力会社側に過酷事故を起こさないように最高度の注意義務が課せられていることを認めている。
原告代理人の河合弘之一弁護士は、同判決は危険性が万が一でもあれば原発を止めるべきだとしている点を指摘した上で、福島原発事故についても、社内外の複数の論文等で事故前に危険性が提示されていたが、東電が対策を先送りにした結果、被害が起きたとして、東電の過失責任が十分に問えるとの考えを示した。
東電株主代表訴訟は、福島第一原発事故発生前から、社内外の複数のデータで津波による危険性が指摘されていたにもかかわらず対策を怠ったために多額の損失を被ったとして、東電の株主が経営陣ら役員に対し、約5兆5千億円の賠償を求めている裁判。
この裁判で被告である東電の経営陣は、福島第一原発の周辺で起きた津波被害の情報をもとに、実際に発電所に到来する津波を予見することはできないことを理由に、津波の危険性は予見不可能だったと主張している。