脱法的な神宮外苑乱開発を止めようとしない小池都政の責任を問う
ジャーナリスト
7月7日に投開票された東京都知事選挙は現職の小池百合子都知事の圧勝という下馬評通りの結果となったが、既存政党の支援を受けずにネットによる選挙運動をフル活用した石丸伸二氏の躍進が目立つ一方で、立憲民主党と共産党から手厚い支援を受けていた蓮舫元参院議員は惨敗という結果に終わった。
小池氏は自民党と公明党の支持層の票の大半を得た他、高齢者を中心に無党派層からも幅広い支持を受け、4年前の都知事選からは70万票あまり得票を減らしたものの、全体の42.8%にあたる291万票を得ての圧勝だった。
参院議員を辞任して知事選に臨んだ蓮舫氏だったが、結果的に3位に終わり、今後立憲民主党内では執行部や都連の責任問題に発展する可能性まで出てきている。
石丸氏がネットを中心とした選挙戦を展開することで既存政党の支持を受けずに165万票を獲得して2位に入ったことは、今後の日本の選挙戦の形を根本的に変える可能性がある。また、石丸氏の躍進は、日本の選挙の主戦場がテレビからインターネットに移ったことを示唆している。
その一方で、自民党、立憲民主党を始めとする既存政党は、選挙戦略、とりわけネット戦略を根本的に練り直す必要があるだろう。今後の選挙では今回の石丸氏の成功に倣って、ネット選挙を展開する候補者が増えることが予想されるからだ。石丸氏の成功によって、高度なネット戦略があれば既存政党候補にも十分に太刀打ちできる可能性があることが明らかになった。
無党派層や若者票の掘り起こしを狙った選挙戦を展開した蓮舫氏も、ネット戦略がうまく機能せず、無党派層と若者のいずれからも期待したほどの支持を得ることができなかった。蓮舫氏が惨敗したことに加え、都議会の補欠選でも1議席しか取れなかった立憲民主党は、更に深刻な事態を迎えることとなった。
その一方で、自民党もまた、事実上支援した現職の小池氏は勝ったものの、同時に行われた都議会議員の補欠選挙で9議席中2議席しか獲得できず、依然として政治とカネを巡る逆風が続いていることを痛感させる結果となった。
都知事選の選挙結果とその背景、そして今後の選挙や政局に与える影響などについて、政治ジャーナリストの角谷浩一とジャーナリストの神保哲生が議論した。