緊急特番・特捜検察は即刻廃止せよ
ジャーナリスト
弁護士、元検事
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1964年広島県生まれ。86年司法試験合格、87年早稲田大学法学部卒業。89年司法修習終了、同年検事任官。94年名古屋地検財政経済係(現・特捜部)、95年東京地検公安部、特捜部(兼任)などを経て00年退官、弁護士。ヤフー株式会社法務部などを経て、イージス法律事務所(現・泉岳寺前法律事務所)設立。東海大学法科大学院特任教授を兼務。編著に『インターネット上の誹謗中傷と責任』など。
今週は遠隔操作ウイルス事件裁判の第二回公判が3月5日に開かれ、昨年2月の逮捕以来身柄を拘束されていた被告の片山祐輔氏が保釈されるなど、遠隔操作ウイルス事件に大きな動きが見られた。
片山氏は満面の笑顔で1年1ヶ月ぶりに自由の身をなったことに対する喜びを表現していたが、一方で、公判の方は序盤から相変わらずの神経戦が続いている。
片山氏の犯人性を裏付ける決定的な証拠を持たないと見られる検察は、数々の状況証拠を提示することで、片山氏が犯人であることが間違いないとの印象を植え付ける戦略をとっていることはもはや間違いなさそうだ。しかし、仮に犯人が片山氏のパソコンを遠隔操作できる状態にあり、片山氏に代わってパソコンを自由に操作したり、パソコンの中身を閲覧できる状態にあったとすれば、氏の行動に合わせて様々な状況証拠を仕込むことも可能になる。
そのため公判冒頭から、状況証拠の積み重ねによる印象操作を目論む検察と、それを避けたい弁護側が激しくぶつかり合う構図となった。証拠読み上げの段階から、検察が自分たちの望む解釈を微妙に反映させた形で証拠を提示するたびに、被告弁護人の佐藤博史弁護士が立ち上がり、「今の言い方はおかしい!」と激しい口調で異議を唱えることが繰り返された。既に公判前整理手続きで同意したはずの証拠を単に読み上げる段階で、たびたび異議が出るのは異例のことだが、それほどこの裁判は微妙な印象に左右される可能性があることを、検察、弁護側双方が十分過ぎるほど熟知しているということなのだろう。
元検事で遠隔操作ウイルス事件にも詳しい弁護士の落合洋司氏に、今後の裁判のポイントをジャーナリストの神保哲生が聞いた。また、番組後半は神保哲生と社会学者の宮台真司が、2月12日の第1回と合わせて2回の公判を通じて明らかになってきた争点と問題点を整理した。