「防衛政策の大転換」で日本はハイブリッド戦争に太刀打ちできるか
元陸将・陸上自衛隊東北方面総監
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安倍政権が憲法自体は変えずに集団的自衛権の行使を可能にする解釈改憲を行う意思を明確にする中、国会では参院選以来中断していた参院の憲法審査会が2月26日に再開された、その議論を見る限り、果たして日本は独自の憲法を書けるところまで成熟していると言えるだろうか。
この日の審議では、安倍首相が憲法は時に政府を縛るためにあるものであるとする立憲主義を「古い、王権の自体の考え方」として否定したことについて、各党が意見を交わした。
自民党の赤池誠章議員が、現行憲法がアメリカの占領軍によって押しつけられたものであり、これを改正することは国会の責務であるとの持論を展開したのに対し、野党議員からは、仮にそれがアメリカの作ったものであったとしても、戦後を通じて歴代の内閣、国会、そして日本国民がこれを追認してきた歴史的な事実は重いと反論した。
また、赤池議員が「現行憲法は憲法違反である」と主張したことに対し、民主党の白眞勲議員が「その場合はどの憲法に違反していることになるのか」と応戦する場面が見られた。そもそも憲法違反の憲法に違反することが論理的にあり得るのだろうか。
一連の憲法審査会の審議を見るにつけ、果たして今日の日本の国会は独自の憲法を書くところまで成熟していると言えるのか。憲法を書くために今の日本に欠けているものは何か。ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。