自民党が原発をやめられない理由
衆議院議員
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1963年神奈川県生まれ。85年ジョージタウン大学国際学部卒業。富士ゼロックス、日本端子勤務を経て96年衆院初当選(自民党)。02年総務大臣政務官、05年法務副大臣、08年衆院外務委員長などを歴任。現在、自民党無駄撲滅プロジェクトチーム座長。当選6回(神奈川15区)。著書に『原発と日本はこうなる』、共著に『共謀者たち 政治家と新聞記者を繋ぐ暗黒回廊』など。
エネルギー政策の基本方針を定めた「エネルギー基本計画」の政府案の内容が報道各社から漏れ伝わっているが、果たして政府案は自民党の選挙公約を満たしているのか。
ここまで漏れ伝わってきた内容を総合すると、原子力発電を「基盤となる重要なベース電源」と位置づけていた経産省の原案に対し、政府案は「基盤」を削除した上で「重要なベースロード電源」という言い回しに変更になるという。また、核燃料サイクル事業については、原案の「着実に推進」から「着実」の2文字を削除するが、基本的に推進の方針には変更はないという。
自民党内で脱原発政策を主張する党エネルギー政策議員連盟の代表を務める河野太郎衆院議員は、報道された内容を見る限り、経産省案からは表面的な変更が行われたに過ぎず、できる限り原発への依存度を下げるとした2012年総選挙の公約を満たすにはほど遠い内容だと語った。河野氏はまた、核燃料サイクル事業を継続している限りは、原発の依存度を減らす方向に向かうことはできないと指摘した上で、原発を過渡期の電源と位置づける必要性を強調した。
エネルギー基本計画について安倍政権は、2013年に民主党政権が2030年代末までに原発ゼロを目指すことを謳った計画を廃止し、新たなエネルギー基本計画の1月中の閣議決定を予定していた。ところが、「脱原発」を掲げる小泉元首相の応援を受けた細川護煕元首相が、東京都知事選に立候補したため、原発が選挙の争点となることを避けるために、閣議決定を都知事選後まで遅らせていた。
エネルギー基本計画の政府案が、自民党の選挙公約を満たさなければ「党内で徹底的に議論をしていく」と語る河野氏に、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が聞いた。