この運用基準で秘密保護法の濫用は防げるか
NPO法人情報公開クリアリングハウス理事長
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問題の多い特定秘密保護法が12月6日深夜、基本的な問題は手つかずのまま、与党の賛成多数で成立した。
情報の流れを制限する法制度は、一度制度化してしまえば、濫用の実態が明らかにならない可能性が高い。そのため、制度設計の段階で濫用の余地を最小化するための細心の注意が必要であることは論を待たない。
しかし、今回政府与党は多くの反対を押し切る形で、問題を抱えた法案をほぼそのまま通してしまった。憲法で保障された国民の知る権利にも関わる重要な法律が、このような形で成立したことを、われわれはどう受け止めればいいのか。
特定秘密保護法自身に問題が多いことは、これまでにもたびたび指摘してきたが、同時に、現状での特定秘密保護法をより危険なものにしている理由として、われわれはその前提となる情報公開法や公文書管理法が十分に機能していないことを指摘してきた。日米密約の存在を暴いて後に有罪となった元毎日新聞の西山太吉氏は、今になってマスメディアが特定秘密保護法は国民の知る権利を制約すると主張してきたことについて、「そもそも日本人は本当に知る権利を行使してきたのか」と厳しい問いを投げかけている。秘密保護法の濫用のリスクを減らすために市民一人ひとりができることは、まだいろいろとあるのではないか。
特定秘密保護法をめぐる議論とそれが成立するまでの過程を、われわれはどう受け止めるべきなのか。また法律が成立した今、われわれに何ができるのか。ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。