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米軍事法廷が21日、機密文書漏洩の罪に問われているブラッドリー・マニング上等兵に35年の禁固刑を言い渡した。検察求刑の60年は大きく下回ったが、弁護側が主張していた25年よりは重い量刑となった。
膨大な量の軍の機密文書を内部告発サイトのウィキリークスに漏洩したマニング上等兵の裁判では、被告の行為が「敵を利する行為」に当たるかどうかが大きな争点となった。検察の主張通りそれが認定されれば死刑の対象となる。
また、内部告発目的でウィキリークスに漏洩することがアルカイダや敵国に情報を漏らすスパイ行為と同等に扱われることの影響も大きい。内部告発を目的に機密情報を報道機関に持ち込んだ場合でも、敵国は報道を通じて機密を入手できる。これが認められれば、報道に対する萎縮効果も大きいことが指摘されていた。
最終的には裁判所は、マニング被告がウィキリークスに情報を提供することが、敵に情報を与えることを目的としたものだったことが証明されていないことを理由に、「利敵行為」は認定しなかった。
元来アメリカ国民は政府、とりわけ連邦政府に対する不信の念が強く、政府に不正があれば、個々人がそれを正すことをよしとする伝統がある。しかし、その一方で、テロとの戦いに直面したアメリカは、刑務所での拷問に見られるように、とても外には出せないような行為を繰り返していることも事実だ。そうした状況の中で、この35年という量刑は何を意味するのか。ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。