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国際的なシンクタンク「グローバル・フットプリント・ネットワーク」は8月20日、人間による天然資源の消費量が地球が1年間に再生できる量を超えたと発表した。年単位で見た場合、この日から年末まで地球は借金状態に陥ることになる。
この「アース・オーバーシュート・デー」は毎年少しずつ早まっていて、今年は2012年に比べ3日、2011年と比べると7日早い到来になるという。
人類が消費する地球の天然資源は1970年代初頭までは、地球の許容範囲に収まっていた。資源を消費はしているが、それは持続可能なペースだったということだ。しかし、その後の人口の急増と開発の加速によって、地球は慢性的な赤字状態に陥っている。われわれが今のペースで資源を消費するためには、地球が1.5個必要になるという。
しかし、一時は環境保護や地球温暖化対策がブームになったこともあったが、最近はこうした情報がマスメディアで報道されることが目立って少なくなっている。今回のアース・オーバーシュート・デーについても、大きな報道はほとんど見られなかった。こうした現象は地球環境や生態系に関するものに限らない。例えば、アフリカの飢餓の状況を伝える報道などもほとんど目にしなくなった。
確かに、今やこうした情報は環境保護団体や国際NGOなどのウェブサイトに行けば誰でも入手はできるようになっているし、ツイッターやフェイスブック経由でも情報は入るだろう。元々そうした問題に興味があり、意識が高い人たちにとっては、それで十分なのかもしれない。しかし、そうまでしてこうした情報を得ようとする人の数は極めて限られている。マスメディアによって一般社会にそうした状況が伝えられ、状況認識が共有されることには、大きな意味があったのではないだろうか。
メディアの多様化によって、マスメディアがかつては重視していた公共的な機能を放棄することの意味とその影響について、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。