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2016年10月29日公開

亀井静香が政治生命を賭してまで死刑の廃止を訴え続ける理由

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第812回)

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ゲスト

1936年11月1日広島県生まれ。60年、東京大学経済学部卒。同年、別府化学工業(現・住友精化)入社。62年、警察庁入庁。警察庁警備局公安一課理事官、警察庁長官官房調査官などを経て1977年に退官。79年、衆院初当選(旧広島3区・13期)。運輸相、建設相、自民党政調会長、国民新党代表、金融担当相などを歴任。著書に『晋三よ! 国滅ぼしたもうことなかれ』、『死刑廃止論』など。

著書

概要

 先進国の中で死刑制度を維持している国は、もはや日本とアメリカくらいしか残っていないし、日本の死刑制度は国連や国際人権団体などからも、繰り返し批判を受けている。しかし、日本では死刑制度は依然として8割もの高い国民の支持を受けている。

 2016年10月7日、日本弁護士連合会が2020年までに死刑制度の廃止を目指す宣言を行った。しかし、宣言の採択に対して、日弁連の中からも反対意見があがり、期せずしてこの問題の難しさが浮き彫りになった。

 世論調査などを見る限り、国民は圧倒的に死刑制度を支持しているが、そうした中にあって、死刑制度の廃止に政治生命を賭けると公言して憚らないベテラン政治家がいる。他ならぬ亀井静香衆議院議員だ。

 国会内に設けられた超党派の死刑廃止を推進する議員連盟の会長を発足時より務めるなど、一貫して死刑の廃止を訴えてきた亀井氏は、死刑存置派が、凶悪犯罪の犠牲になった被害者や遺族の感情の回復の必要性を主張しているのに対し、人を殺す以外の方法で感情の回復を図る方法を探るべきだと語る。犯人を殺すことだけが、感情の回復を図る方法とは限らないのではないかというのが亀井氏の考えだ。

 また、亀井氏は警察官僚時代の自らの経験を元に、現在の刑事制度の下では冤罪が避けられないことも、死刑に反対する理由にあげる。長期間、外部から遮断された被疑者は「拘禁ノイローゼ」状態に陥り、取り調べ官に誘導されて虚偽の供述をしてしまう場合がある。しかし、後に冤罪の疑いが表面化しても、被疑者が処刑されてしまえば、もはや取り返しがつかないと亀井氏は言う。

 確かに、死刑については終身刑の導入の是非を含め、議論しなければならない論点は多いが、亀井氏の主張にじっくりと耳を傾けると、氏の主張が死刑にとどまらず、伝統的な真正の保守政治家のそれであることに気づかされる。

 国民新党代表として民主党政権で連立を組んでいた亀井氏は、連立を離脱してまで消費税増税に強く反対している。低所得層により重い負担を強いることになる消費増税には今も反対だ。地方へ富を再配分する公共事業とそれを支える国債の発行は支持する一方で、日本の農業を破壊するTPPや原発、外国人参政権、そして集団的自衛権の行使を可能にする憲法9条の改正には強く反対している。また、取り調べの全面可視化や、夫婦別姓、天皇の生前退位は絶対に認められないという立場を取る。

 政治学では政治的立場を分類する際に、経済軸と社会軸もしくは政治軸で4事象に分けて分類する場合が多いが、亀井氏は経済的にも社会的にも保守の立場を貫いているという点で、今日絶滅危惧種になりつつある真正の保守政治家と言えるだろう。

 逆の見方をすると、今日の保守政治家の多くは政治的・社会的には保守的立場をとっていても、経済的には市場原理を重視する新自由主義的な立場の政治家が多い。亀井氏はこの「新自由主義」を厳しく批判して止まない。

 被害者感情に理解を示しつつも死刑制度の廃止を強く訴える亀井氏に、自身の政治的信条や安倍政権に対する評価、野党連携の見通しなどを、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が聞いた。

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