公益通報者を逮捕し報道機関にまでガサ入れをする鹿児島県警をどう裁くべきか
ジャーナリスト
1966年長野県生まれ。90年慶應義塾大学文学部卒業。同年共同通信社入社。大阪社会部、成田支局、東京社会部、外信部、ソウル特派員などを経て06年退社。著書に『日本の公安警察』、『国策捜査』、『絞首刑』など。
1970年愛知県生まれ。03年パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了。哲学博士。東京大学21世紀COE「共生のための国際哲学交流センター」研究員、東京外国語大学非常勤講師などを経て、現職。著書に『国家とはなにか』、『暴力はいけないことだと誰もがいうけれど』、共著に『超マクロ展望世界経済の真実』など。
2012年最初のマル激は昨年の年頭と同様に、マル激レギュラー陣(宮台真司、萱野稔人、青木理、神保哲生)による今年1年の展望を議論する特別番組をお送りする。
2011年、日本は3・11の震災と原発事故に明け暮れた1年だった。震災からの復興や原発事故の収束が、引き続き2012年の大きな課題であることに疑いの余地はないが、実は震災や原発事故への対応が露わにしたものは、3・11以前から日本が抱えていた構造的な問題だった。
2012年、われわれはこの震災と原発事故を奇貨として、20年来この国が無策で通してきた諸問題に対峙することができるかどうかが、まずは2012年の日本の課題になるだろう。
しかし、仮にわれわれが問題を直視できるようになり、真剣に問題への対応を考えるようになったとしても、2012年は決して明るい展望が開けているわけではない。日本はいよいよ団塊世代が定年を迎え、少子高齢化が本格化する。社会保障負担が増え続ける一方で、世代間格差は広がり、若者はいよいよ将来に希望が持てなくなっている。
一方、世界に目を向けると、2012年は世界の主要国で軒並み首脳の選挙が控えている。アメリカのオバマ大統領の再選が危ぶまれるように、経済の閉塞によって政治に対する不満が世界規模で充満している。2012年は国際政治にも大きな節目の年となる可能性が高い。
最悪の震災と原発事故を経験した今、未曾有の高齢化社会に突入する。2012年を生き抜くための糸口を、われわれはどこに見いだせばいいのか。ジャーナリストの青木理、哲学者の萱野稔人とともに、宮台真司、神保哲生が議論した。
(藍原寛子さんの福島報告は、今週はお休みいたします。)