政治権力に屈し自身のジャニーズ問題とも向き合えないNHKに公共メディアを担う資格があるか
ジャーナリスト、元NHKチーフ・プロデューサー
1974年千葉県生まれ 日本大学芸術学部中退。96年大学在学時にエイベック研究所を設立、代表に就任。2000年同研究所を株式会社化し現職。著書に『ソーシャルメディア進化論』。
全世界に7億人のユーザーを抱えると言われるソーシャルメディア最大手「フェイスブック」のマーク・ザッカーバーグCEOは今週、アメリカのシリコンバレーで、フェイスブックに「タイムライン」と呼ばれる日記の機能を新たに搭載することを大々的に発表した。また、ソーシャルメディアの分野ではフェイスブックの後塵を拝する形となった検索最大手のグーグルが、これまで試験的に運用してきた独自のソーシャルメディア・サービス「グーグルプラス」を一般ユーザーに公開するなど、ここに来て、俄然ソーシャルメディア周辺が賑やかになってきた。
調査会社ニールセンリサーチによると、既に日本ではミクシー、ツイッター、フェイスブックの延利用者数は4000万人にのぼるという。
「ソーシャルメディア」と呼ばれる以上、何らかの社会性を帯びているはずで、ソーシャルメディアの普及は、われわれの社会におけるコミュニケーションのあり方に、どのような影響を及ぼしているのだろうか。
ソーシャルメディアを使った企業コミュニティの運営に取り組んできたエイベック研究所代表取締役武田隆氏は自らの経験から、ソーシャルメディアは現代社会が失っている「心温まる関係」を築く場になり得る特質を持っているという。コミュニケーション革命は常に、人と人の距離を縮め、新しい公共圏を創造してきたはずだったが、インターネットの登場によって全世界が至近距離で結ばれたことで実際に登場したものは、無数のスモールワールドでしかなかった。ハーバマスが予言した「システム的世界による生活世界の植民化」が現実のものとなった今、武田氏はソーシャルメディアこそがインターネット本来の機能である「人を人とをつなぐ」機能を果たせると言う。
ソーシャルメディアがいかに社会の中の人と人をつなげる役割を果たし得るのか。その機能を実際に活かすためにわれわれは何をしなければならないのか。ソーシャルメディアによって、社会のつながり方がどのように変わってくるのか。
10年余に及ぶ企業コミュニティの運営を通じて、ソーシャルメディアを通じて企業と人、そして人と人をつなぐことに力を注いできた武田氏とともに、ソーシャルメディアの果たしうる機能と現状、そしてその可能性を考えた。
(今週はジャーナリストの武田徹、社会学者の宮台真司両氏の司会でお送りします。)