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2009年12月12日公開

09年、就職戦線異状あり

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第453回)

完全版視聴について

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完全版視聴期間 2020年01月01日00時00分
(終了しました)

ゲスト

1974年宮城県生まれ。97年一橋大学商学部卒業。リクルート『とらばーゆ』編集部、OJTソリューションズ、バンダイなどを経て、09年人事コンサルティング会社クオリティ・オブ・ライフに入社、現在に至る。また、同年より就職ジャーナリスト活動に入る。著書に『就活格差』『強い就活!』など。

著書

司会

概要

 リーマンショックに端を発する急激な景気の悪化で、企業の内定取り消しが相次いだ昨年秋以降、就職市場の冷え込みがメディアで報じられている。文部科学省と厚生労働省の調査によると、来春大学卒業予定者の10月1日時点での就職内定率は62.5%で、前年同期より7.4ポイント低下している。これは調査を始めた96年以来最大の下落率だという。実際、企業の新卒採用数も昨年より大幅に減っており、内定がとれず就職活
動に苦戦する学生たちの姿から、氷河期の再来と見る向きもある。

 一方で、(株)リクルートの研究機関のリクルートワークス研究所が今年4月に発表した大卒求人倍率調査によると、2010年3月卒業予定の大学生の求人倍率は1.62倍で、前年の2.14倍から大幅に落ち込んだものの、氷河期といわれた1996年の1.08倍や2000年の0.99倍に比べれば、はるかに高いことがわかった。数字上はさほど悪くないにもかかわらず、なぜ就職戦線の厳しさばかりが目に付くのか。

 (株)バンダイで新卒採用を担当した経験を持つ就職ジャーナリストの常見陽平氏は、今起きているのは氷河期の再来ではなく、内定をいくつもとれる学生と一つもとれない学生との二極化であり、そうした内定格差を生み出している「就活格差」だと説明する。求人数はあるが、企業が欲しいと思う人材が極端に少ないため、一部の学生を企業が奪い合う状況になっているというのだ。

 内定格差が生じる原因の一つとして、常見氏は大企業や人気業種に学生の志望が集中することを挙げる。先の大卒者求人倍率に関しても、従業員数1000人以上の大企業では0.55倍となるのに対し、1000人未満の企業では3.63倍であり、常見氏曰く「知っている企業しか知らない」という学生の大企業志向・有名企業志向がそのまま数字に表れているという。

 また、学生自身の能力や資質の差が開いてきているうえに、企業の選考が以前より高度化・厳格化していることも、格差の要因となっている。行動力やコミュニケーション能力といった企業が求めるスキルを高いレベルで持つ学生は限られているため、そこだけに内定が集中してしまうというのだ。

 このことは裏を返せば、企業側に採用格差が生じていることを示している。いい人材を採りたくても、学生に人気のない企業は全く採れない。さらに求める人材像が似通っているために他の企業と競合し合い、最終的には採用力の差によって競り負けてしまうのだという。

 学生側と企業側のこうしたミスマッチを背景に成長してきたのが、就職情報会社などの就活ビジネスだ。数千企業の就活情報を提供するナビサイトや、大規模会場で開催される合同企業説明会などは、今や一大産業の様相を呈している。

 就活の早期化も止まらない。今では、大学3年の4月から就活が始まるのが一般的であり、大学生活の半分は就職活動に充てられるのが当たり前になっている。企業の採用の早期化に歯止めをかける目的で経団連が設けている倫理憲章も形骸化しており、97年に廃止された就職協定の復活を求める声も上がっているが、常見氏は学生の不安が就活の早期化を招いている現状においては意味がないだろうと指摘する。

 人材を供給する大学側の責任も大きい。少子化時代を迎え、生き残りをかけて学生獲得に奔走する大学としては、就職実績を重視せざるを得ないのは仕方ないが、それは単に学生や親のニーズに応えているだけであり、それでは社会で活躍できる人材を送り出すという公共的な役割は果たせていないと常見氏は語る。

 今週は学生の就職活動に詳しい常見氏とともに、現在の就活の実態を検証した上で、年功序列、終身雇用といった日本固有の雇用形態が壊れつつある中で、それでも新卒一括採用を続けることの是非などを議論した。

 

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