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2009年11月14日公開

政府のタバコ規制は必要か

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第449回)

完全版視聴について

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完全版視聴期間 2020年01月01日00時00分
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ゲスト

1958年神奈川県生まれ。82年慶応義塾大学法学部卒業。松下政経塾塾生、神奈川県議を経て、93年衆院初当選(新生党・旧神奈川2区)。98年民主党に合流。03年より現職(2期目)。著書に『受動喫煙防止条例 日本初、神奈川の挑戦』、『実践 ザ・ローカル・マニフェスト』など。

著書

司会

概要

 「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。」

 これは現在日本で販売されているタバコのラベルに記された警告文だが、タバコによる健康への悪影響が常識となる中、職場や公共交通機関の禁煙が進み、路上喫煙を禁止する条例が全国各地の自治体で施行されるなど、タバコを吸う人の肩身は日々狭くなってきている。全館禁煙のビルの入り口付近には、常にタバコを吸う人の姿が絶えないし、喫煙者をガラス張りの部屋に閉じ込めて、タバコを吸わせている事業所や公共施設も増えてきている。

 そうした中、全国で初めて屋内での喫煙規制にまで踏み込んだ「受動喫煙防止条例」が今年3月、神奈川県で成立した。この条例は、歩きタバコによる事故防止や環境美化などを目的としたこれまでの路上喫煙禁止条例から更に一歩規制を強化するもので、受動喫煙の被害を防ぐ目的で、「公共的施設」内での喫煙にまで規制をかけるというもの。

 ここで言う公共的施設とは、不特定多数の人が集まる場所を指し、公営施設だけでなく民間の施設も含まれる。官公庁や学校、病院や映画館など公共性の高い施設は禁煙、一定規模以上の飲食店や娯楽施設、宿泊施設などは禁煙か完全分煙の措置を講じなければならなくなるため、基本的には神奈川県では、人が多く集まるところではほとんどタバコは吸えなくなったと言ってよさそうだ。しかもこの条例に違反すると、施設の管理者には5万円以下、個人には2万円以下の過料が科せられるという罰則までついた厳しいものだ。

 公共の場での喫煙規制を選挙公約に掲げ、本条例の導入を主導した神奈川県知事の松沢成文氏は、タバコによる健康被害が明らかになった今、タバコを吸わない人が吸う人の煙によって健康を害するのは理不尽であり、受動喫煙から県民の健康を守ることが行政の責務だと主張する。また、日本はたばこ規制枠組み条約に批准しているにもかかわらず、条約で定められた屋内での受動喫煙対策に消極的で、すでに公共空間での喫煙規制が進む海外の大都市と比べても、日本のタバコ対策は遅れているので、国がやらないなら地方から全国的に広げていきたいと抱負を語る。

 タバコは喫煙者自身の健康被害に加え、副流煙や歩行中の事故を含め他人にも被害が及ぶ以上、その是非は全面的に個人の自由に委ねられるべきではなく、政治が一定の役割を演じる責任があるというのが、松沢氏の立場だ。

 嫌煙家にとっては、今回の神奈川県の受動喫煙防止条例は確かにありがたいものかもしれない。なぜなら、これまで個人の判断に任されていたものを、行政が上から規制してくれるからだ。もはや煙を我慢したり、喧嘩になるのを覚悟で、吸うのをやめて欲しいと訴える必要もなくなる。

 しかし、ジャーナリストの斎藤貴男氏は、行政が個人の行動にまで干渉することに対して、公権力による個人の監視・管理の強化につながるだけでなく、それ以上に問題なのは、個人が公権力への依存度を強め、ますます主体性を失っていく風潮を加速しかねないと警鐘を鳴らす。本来ならばコミュニケーションを通じて社会の中で解決すべき問題を安易に行政に委ねてしまえば、ますます我々は自分たちで問題を解決する能力を失ってしまうからだ。

 公共の場での喫煙に対して、政府が規制を加えることは是なのか非なのか。今回はマル激としてはやや異例のスタイルで、行政による喫煙規制の是非をめぐって、喫煙規制条例を推進した神奈川県の松沢成文知事と、自身は喫煙者ではないにもかかわらず嫌煙ファシズムを批判する斎藤貴男氏との議論から、タバコ規制を通じて見えてくる社会のあるべき姿について考えた。

 

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