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2008年10月11日公開

民主党マニフェストと霞ヶ関埋蔵金

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第393回)

完全版視聴について

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完全版視聴期間 2020年01月01日00時00分
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ゲスト

1955年東京生まれ。78年東京大学理学部数学科卒業、80年東京大学経済学部卒業。80年大蔵省入省後、理財局資金企画室長、98年~01年プリンストン大学客員研究員、06年内閣参事官などを経て、08年より現職。07年千葉商科大学大学院で博士号(政策研究)取得。 著書に、『さらば財務省!』『霞ヶ関の逆襲』、『霞ヶ関埋蔵金男が明かす「お国の経済」』など。

著書

概要

 連日の株価大暴落で、11月上旬の総選挙観測はやや後退した感があるが、とはいえ、近々に政権選択の選挙が迫っている状況に変わりはない。既に参院で第一党の地位を固め、野党連合を通じて参院の過半数を支配する民主党にとっては、来る総選挙こそが、文字通り政権取りをかけた大勝負となる。
 民主党政権誕生の可能性が現実味を増してきた今、民主党の政策の検証は、以前にも増して重要となっている。民主党主導の政権が実現した場合は、それが日本政府の政策となるからだ。
 そこで今週のマル激では、小沢一郎民主党代表の先の国会での代表質問などで提示された民主党の主要な政策を、東洋大学の高橋洋一教授とともに、特に財源面から検証し、その実現可能性を議論してみた。
 東京大学で数学を専攻した後大蔵省(現財務省)に入省した経歴を持ち、「霞ヶ関の埋蔵金男」の異名を取る高橋洋一氏は、民主党政権の掲げる政策の財源面の裏付けに対して与党から疑問が呈されていることについて、「4年間で50兆程度の財源の捻出は十分可能」と言う。民主党が予算の組み替えを主張していることから、実際には予算項目の付け替えなどもあり、「真水」として必要になる新たな財源は、現在取りざたされている「4年で56兆円」よりも少なくなる可能性があること、より厳密な
B/C(便益/コスト)計算を導入することで、相当額の公共事業の削減が可能になることなどとともに、霞ヶ関埋蔵金の存在をその理由にあげている。
 霞ヶ関埋蔵金とは、一般会計と特別会計からなる国の予算のうち、国会のチェックをほとんど受けない特別会計の中に計上されている種々の積立金のことで、その額は50兆とも70兆とも言われている。国が行った事業によって発生した剰余金の一種で、企業の「内部留保」にあたる。企業で利益が発生した場合、それを内部留保に回すか、配当金として株主に還元するかは、本来株主が決めることだが、霞ヶ関埋蔵金の扱いは、少なくともこれまでは官僚の裁量で、各省庁やその傘下にある特殊法人などに積立金として貯め込まれてきた。
 事業の内容によっては「もしもの場合」に備えて一定額の積立金が必要になる事業もあるかもしれないが、いずれにしても、どの程度が適当な積立金なのかについては、これまで議論もないままに、各省庁の官僚の裁量に委ねられてきたという。いわば、国家予算を上回る額の公金が、官僚の判断で各役所内にプールされていたことになる。
 結果的にその運用益が、官僚が天下る特殊法人やファミリー企業などに投入される官僚利権になっていたことも紛れもない事実だ。
 大蔵官僚出身ながら、小泉改革を実務面で支え、霞ヶ関官僚の激しい抵抗に遭遇した経験を持つ高橋氏は、民主党がマニフェストに掲げた政策を実現できるか否かは、財源問題よりもむしろ官僚の抵抗を押さえ込むことができるか否かにかかっていると言い切る。その意味で、官僚の抵抗を排し、公務員数の削減や公務員給与のカット、天下りの禁止を含む公務員制度の改革と、情報公開の徹底をどこまで行うことができるかで、民主党政権の真贋が問われることになるだろうと高橋氏は言う。
 民主党の掲げる政策には、財源の裏付けが本当にあるのか。財源問題の他に、その実現の妨げとなるものがあるのか。その政策が実現した時、日本にどのような変化が訪れるのか。明日の日本政府の政策となる可能性が少なからず出てきた民主党のマニフェストを、高橋氏とともに検証した。

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