民主党は本当に生まれ変わったのか
立憲民主党代表
先のメール問題は前原民主党に取り返しのつかない深い傷を残した。4点セットをとことん追求するはずだった通常国会も、難なく予算は衆院を通過し、参院の審議でも野党側に勢いはない。
しかし、それにしてもなぜ最大野党ともあろうものが、あのような初歩的なミスを犯してしまったのか。元民主党事務局長の伊藤惇夫氏は、メール問題で民主党にもともと内在する政党としての基本的な弱点が一気に露呈したと指摘する。
それは、もともと民主党が自民党のような政党としての研修・教育機能を持たない不完全な政党であることであり、また巷間囁かれる通りの寄せ集め所帯だからでもある。
しかし、伊藤氏は自民党も、元々議員の修行の場だった派閥が弱体化したことで、今後民主党同様の問題を抱える可能性があると指摘する。 また伊藤氏は、自民党が前原政権を最後まで追い込まなかったことについて、「55年体制の復活を狙っているのではないか」と説く。民主党がかつての社会党のように万年野党の地位に甘んじてくれるのが、自民党にとっては一番好都合であり、そのためには執拗以上に民主党を追い込むべきではないとの判断が働いたのではないかと言うのだ。もしそれが真実だとすると、今回のメール問題も、そして民主党の現状も、もはや一野党の問題にとどまらない、日本の憲政の危機と言って過言ではないだろうか。
なぜ民主党は肝心な時につまずくのか。民主党に復活のシナリオはあるのか。民主党が弱体化することが日本全体にどのような影響を及ぼすのか。自民、民主両党の裏の裏まで知り尽くした伊藤氏とともに、民主党の処方箋を考えた。