石破元幹事長が総裁選への出馬を明言
衆院議員
1957年東京生まれ。79年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。同年、三井銀行(現三井住友銀行)入社。86年衆院初当選(衆院・旧鳥取全県区)。93年新進党入党。97年自民党に復党。農水相、防衛相、党政調会長、党幹事長などを歴任。衆院11期(鳥取1区)。著書に『政策至上主義』、『日本列島創生論 地方は国家の希望なり』、『日本人のための「集団的自衛権」入門』など。
普天間飛行場の移設問題が地元沖縄の反対のまま合意され、イラクへの自衛隊派遣の延長も決まった。こうしたなか、先月末には自衛隊が軍隊であることを明記する自民党の新憲法草案が発表されている。こうした動きを見るにつけ、どうも日本がアメリカの都合に合わせるために憲法にまで手をつけようとしているとの批判に、一定の正当性を与えてしまっているようにも見える。
確かに1999年のガイドライン法に始まり、有事法制、テロ・イラク特措法、自衛隊法の改正など、日本は過去6年の間に一気に安全保障関連の法整備を進めてきたが、そのいずれもがアメリカの対外戦略の変更に呼応するものだったことは否定できない。
しかし、元防衛庁長官で自民党きっての安全保障問題のエキスパートとして知られる石破議員は、一連の法整備は、いずれもアメリカのためではなく日本のために行うべきことだったと説く。まず、短期的には日本がパートナーとしてアメリカの信頼を勝ち得ることこそが、もっとも日本の国益につながるという理由から、そして長期的には、日本の安全保障上の役割を広げていくことが、アメリカ依存体質から脱却するためにも不可欠になる。石破氏はこう主張する。
しかし、短期的とはいえ、他国の政策との互換性を維持するために一国の憲法を改正するという考え方に問題はないのか。なぜ、今このタイミングで自民党は憲法を改正しようとしているのか。改正した先にある日本の姿とはどのようかものなのか。安全保障の観点から見た憲法改正の是非を、石破氏と考えた。