このままでは道路の暴走は止まらない
シンクタンク構想日本代表
1952年香川県生まれ。73年京都大学経済学部卒業。同年大蔵省入省。証券局、国際金融局、財政金融研究所などを経て、96年退官。97年政策シンクタンク「構想日本」を設立、代表に就任。97年より慶應義塾大学総合政策学部特別招聘教授、00年よりNPOリンカーンフォーラム代表、06年より東京財団会長などを兼務。著書に「道路公団解体プラン」「浮き足立ち症候群―危機の正体21」など。
去る5月16日、財務相の諮問機関が、2015年までに国のプライマリーバランスを均衡させるためには消費税率を19%に引き上げ必要があるとの試算を出した。今や累積財政赤字は1000兆円にのぼり、国民1人当たり800万円の負債を抱える借金大国となった日本では、もはや消費税の引き上げは避けられないとの見方が強い。
しかし、こうした見方に対し、シンクタンク『構想日本』の加藤秀樹氏は、「国は半分の予算で運営できる」と主張し、消費税をあげる前に抜本的な財政の削減が可能と説く。構想日本が8県4市の自治体と共同で公共事業の仕分けを行ったところ、概ね3割の事業が不要な上、残る7割の事業も3割以上のコスト削減が十分可能であることがわかったという。
税金で借金の帳尻あわせをする前に、予算の無駄を削減が不可欠なことは言うまでもないが、日本では行政も議会も予算のチェックには後ろ向きなのが実情だ。
なぜ日本では予算の十分なチェックができないのか。現在の予算の何が問題なのか。国は本当に半分の予算で運営できるのか。予算運営の現状と問題点を加藤氏と共に考えた。