2014年、底の抜けた日本を生き抜く
哲学者
1971年東京都生まれ。92年東京大学教養学部教養学科卒業。99年東京大学総合文化研究科博士課程修了。学術博士。東京大学客員助教授、早稲田大学教授、東京工業大学特任教授などを歴任。2012年より株式会社ゲンロンの代表取締役社長兼編集長を兼務。著書に『セカイからもっと近くに』、共著に『福島第一原発観光地化計画』、『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』など。
監視カメラやGPSなどの監視技術が、私たちの日常生活の一部となって久しい。奈良女児殺害事件や03年の長崎男児誘拐殺害事件では、携帯の発信情報や監視カメラが事件解決の糸口となり、改めて監視技術が注目を集めた。その影響もあり、今やGPS付きのランドセルや学生服などが人気を博しているというが、その一方で企業などからの個人情報の流出も後を絶たない。はたして、このまま監視社会化を進めても大丈夫なのか。
インターネットなどの新しい情報技術と社会の関わりを考察している東浩紀氏は、もはや監視社会化の流れは止められないことを前提に考えなければ、有効な対策や対応は考えられないと説く。そして、そうした流れに抗するよりも、その力をより開かれた社会の実現のために利用する方法を考えるべきだと主張する。
監視社会化が進む背景に何があるのか、今後私たちは監視社会とどうつきあっていけばいいのか、などを東氏とともに考えてみた。
他、NHK番組改変論争で抜け落ちている点など。