ミャンマー危機における日本の責任を考える
マル激 (第1044回)
ゲスト松本悟
法政大学国際文化学部教授
法政大学国際文化学部教授
日本初の開発援助プログラムとなった1954年のコロンボ計画から、ちょうど今年で50年を迎える。平成16年度版のODA白書では、日本の援助が途上国の開発や福祉に貢献した成果が謳われているが、メコン河流域への支援活動を行うNGOメコンウオッチの松本悟氏は、日本の援助外交には基本的な理念が欠けていると指摘する。
松本氏は、もともと自分達が貧しいと思っていなかった人々が、開発援助によってかえって貧しくなる事例が、メコン河流域では数多くあるとして、伐採された森林や失われた自立型の社会インフラなど経済指標には表れない援助の負の要素にも着目する必要性を強調する。
国民一人当たりの対外援助額で世界一を誇る援助大国の日本は、果たして年9000億円のODAに値する成果をあげてきたのか。そもそも援助は何のために行われているのか。それだけの援助を行いながら、なぜ一向に貧困はなくならないのか。メコン河流域から見える日本の援助外交のあり方を考えた。