DNA鑑定は誰の利益に資するべきか
マル激 (第426回)
ゲスト天笠啓祐
ジャーナリスト
ジャーナリスト
最近消費者団体が行った検査で、複数の遺伝子組み換え「不使用」と表示されている豆腐から、遺伝子組み換え大豆が検出された。遺伝子組み換え作物の成分は、食用油から医薬品、菓子類などに広く使われている。もはや私たちが日常生活の中で、好むと好まざるとにかかわらず、遺伝子組み換え食品を完全に避けることが困難になっている。
現実に世界の大豆の55%が、アメリカの多国籍企業モンサント社の開発した遺伝子組み換え大豆で占められ、その栽培面積も年々増加している。
いつの間に、遺伝子組み換え食品はここまで浸透していたのか。安全性の問題は解決されたのか。
遺伝子組み換え食品の安全性に警鐘を鳴らし続けてきた天笠氏は、遺伝子組み換え作物が増加する背後にはアメリカの食糧戦略に裏打ちされた国際アグリビジネスの存在があると指摘する。一握りの多国籍企業が、遺伝子操作技術の特許を押さえると同時に、主要な種苗会社を軒並み買収することで、農家の多くが遺伝子組み換え作物を栽培する以外の選択肢を失っているのだ。
日本でも遺伝子組み換え作物が使用されている食品を消費者が購入することで、知らないうちにアメリカの食糧戦略の片棒を担いでいる可能性が大きい。日本の選択肢を考えてみた。