五輪談合事件に見る、捜査能力の劣化で人質司法に頼らざるをえない特捜検察の断末魔
弁護士
1975年福岡県生まれ。99年東京大学教養学部卒業。東急エージェンシー、ルイヴィトン・ジャパン、ギャップジャパンを経て、2016年より現職。
日本では同性婚は認められていないが、自治体が設けた同性パートナーシップ制度が少しずつ広がりを見せている。これまでに全国で180組近くの同性パートナーが誕生しているというが、その多くは公表されておらず、制度に対する理解は必ずしも進んでいない。
しかし、電通総研が2015年に全国7万人を対象に行った調査では、自分が同性愛者・バイセクシュアル・トランスジェンダーを指す「LGBT」と答えた人の割合が全体の7.6%に及んでいた。また、三重県が2017年に県内の高校2年生1万人を対象に行った調査ではLGBTの該当者が約10%を占めていたという。
2015年にいちはやく「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」を制定し、同性パートナーシップ証明を始めた渋谷区でダイバーシティ推進担当課長を務める永田龍太郎氏は、LGBTに対する無理解が当事者たちを存在すら認識されない“透明人間”のような立場に追い込んでいるのが実情だと語る。そして、当事者たちが声をあげられないなら、理解者や支援者の存在を見える化することで地域社会から変えていくことが大切だと語る。
オリンピック憲章は性的指向に対する差別禁止を謳っており、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでもLGBTに対する配慮が求められている。ロンドン五輪で自らをLGBTとしてカミングアウトしていた選手は20数名だったが、4年後のリオでは60人近くまで増えていた。おそらく東京では100人を越えるだろう。世界からやってくる人たちに対して、大会関係者、ボランティアを含めて、LGBTに対する理解が重要になる。
一方、永田氏によると、今週末ニューヨークで開かれるLGBTたちの「プライドパレード」には、NFL(プロフットボール)、MLB(プロ野球)といったアメリカの主要なプロスポーツの団体が正式に参加するというが、残念ながら日本のスポーツ界のLGBTに対する意識は、まだ後れていると言わざるを得ない。
社会的な少数者や弱者が生きにくい社会は、誰にとっても生きにくい。自身がLGBTの当事者でもある永田氏に、なぜダイバーシティ(多様性)が社会にとって重要なのかなどについて、ジャーナリストの迫田朋子が聞いた。