自民党に歴史的大敗をもたらした民意を読み解く
慶應義塾大学名誉教授
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1936年東京都生まれ。59年早稲田大学政治経済学部卒業。同年、丸善石油(現コスモ石油)入社。76年11月、父・福田赳夫衆議院議員の秘書を経て、77年首相秘書官。90年衆院初当選(衆院・旧群馬3区)。外務政務次官、党副幹事長、内閣官房長官などを経て、2007年第91代内閣総理大臣。12年政界引退。共著に『世界はなぜ争うのか 国家・宗教・民族と倫理をめぐって』、『一国は一人を以って興り、一人を以って亡ぶ』など。
公文書管理法の成立に尽力した福田康夫元首相は2012年に政界を引退した後も、公文書管理のあり方や政治と官僚の関係については積極的に発言をしてきた。
自民党総裁選が行われる今、福田氏は今日の自民党や日本の政治状況をどう見ているのだろうか。
現在の政治の最大の問題点として福田氏は、政治家が官僚を上手く使いこなす事が出来ていないと指摘する。官房長官と首相を務めた経験を持つ福田氏は、内閣人事局などを通じて首相官邸が官僚に対して強い権限を持つようになった今も、政治はあくまで事務次官に人事権を含む一定の権限を持たせることで、事務次官を中心に各省庁にきちんと仕事をしてもらえるような関係を維持しなければならないと語る。
安倍、菅政権が相次いでコロナ対策に失敗したことについても、官僚が責任を持って仕事ができる関係性を壊してしまったところにその大きな要因があるというのが、福田氏の見立てだ。
文書改ざんについては、公文書管理法制定を主導した当事者として、改ざんなどはもってのほかと断罪した上で、これも公文書管理法という法律の問題というよりも、常に官僚が政治家の顔色をうかがわなければならないような関係になってしまった結果起きている現象だとの認識を示した。
最近は人口問題などのグローバルなテーマに積極的に関わっている福田氏に話を聞いた。