裏金が作り放題の政治資金規正法の大穴を埋めなければならない
神戸学院大学法学部教授
弁護士、元検事
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1955年島根県生まれ。77年東京大学理学部卒。三井鉱山勤務を経て80年司法試験合格。83年検事任官。東京地検検事、広島地検特別刑事部長、長崎地検次席検事、東京高検検事などを経て、2006年退官。08年郷原総合法律事務所(現郷原総合コンプライアンス法律事務所)を設立。10年法務省「検察の在り方検討会議」委員。著書に『「深層」カルロス・ゴーンとの対話:起訴されれば99%超が有罪となる国で』、『検察崩壊 失われた正義』など。
不正資金疑惑を調査してきたJOCが設置した第三者委員会が、9月1日に公表した調査報告書の中で不正はなかったと結論したことについて、これまで数々の第三者委員会の委員を務めてきた郷原信郎弁護士は、その内容を厳しく批判する。
十分な資料が揃っておらず、カギを握る関係者へのヒアリングも行わないまま「不正がなかった」と結論づけるには、無理があるという理由からだ。
九電やらせメール問題などで第三者委員会の委員を務めてきた郷原氏は、不祥事を起こしたた企業が、社会の信頼を取り戻すためには、独立した調査委員会が中立かつ客観的な立場から調査を行った上で、原因分析や再発止策を提言する必要があるが、JOCのの報告書は委員会の選任のプロセスが不透明な上に、中立的な調査が行われているようには見えないと指摘する。
依頼者の意向に沿った「御用」委員会が後を絶たない理由について郷原氏は、経営者が中立的な調査報告の重要さを理解していないのと同時に、社会の側もそこまで厳しく真相究明を求めていない面があるのではないかと語った。
(インタビュアー:神保哲生(ビデオニュース・ドットコム))