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2023年04月20日公開

統一地方選・地方自治体の情報公開はどうなっているか

ディスクロージャー ディスクロージャー (第7回)

完全版視聴について

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完全版視聴期間 2023年07月20日23時59分
(終了しました)

概要

 統一地方選のただ中となった4月20日のディスクロージャー&ディスカバリー(4月18日に収録)は、自治体ごとに独自の基準で行われている地方自治体の情報公開をとりあげた。

 日本には情報公開法という国法があるが、その法律の対象となるのは基本的に中央の行政機関であり、都道府県や市区町村といった地方自治体の情報公開はそれぞれの自治体が定めた情報公開条例に則って実施されている。その背景としては、情報公開法が施行された2001年の時点で、既に多くの自治体で独自の情報公開条例や情報公開制度が定められていたことがあげられる。日本の一部の自治体では1982年の山形県金山町を皮切りに、神奈川県、埼玉県などで国の情報公開法ができる20年近くも前から情報公開条例が制定されていた。

 現在、全国に1,718ある地方自治体のうち、北海道の乙部町を除く全ての自治体で何らかの情報公開条例が制定されている。しかし、三木由希子氏によると、その実態は「超格差社会」で、情報公開の解釈や開示対象となる情報の範囲、運用などは自治体により千差万別だという。特に、ほとんど情報公開請求が行われていない自治体では、情報公開制度もその担当者も日頃から鍛えられていないので、本来は保存されていなければならないはずの公文書がきちんと保存されていなかったり、公開されるべき情報が公開されていないなど、運用面でも多くの課題を抱えるところが少なくないという。さらに、誰に対して情報公開請求を行う権利を認めているかも自治体によって異なる。その自治体の住民に限られていたり、中には1年以上その自治体に在住していないと開示請求すらできない自治体もあったりする。ちなみに東京都も小池百合子知事が就任するまでは、開示請求ができる対象が東京都民に限定されていた。
 
 また情報開示請求を受ける前に、自治体の側から自主的に公表している情報の中身にも、かなりばらつきがある。例えば、外出自粛や営業自粛など市民生活に多大な影響を与える意思決定が行われた都道府県の新型コロナ対策本部の議事録は、2021年段階でわかっているだけで47都道府県中20の県が公表していなかったと三木氏は言う。

 また地方議会に目を向けると、地方自治法は本会議の会議録の作成は義務付けているが、本会議の下にある常任委員会については議事録の作成が義務付けられていない。大規模な自治体では実質的な審議が本会議よりも常任委員会で行われている場合が多いため、その議事録が作成されていなかったり閲覧が可能になっていなければ、市民が議会の意思決定過程を確認することができない。地方選挙の投票率が低いことが問題になっているが、選挙の後、投票した議員の活動が確認できなければ、地方政治に対する関心が高まるはずがない。

 地方自治体の選挙では争点が分かり難い面があることは否めないが、投票する前に、民主主義の一丁目一番地としての情報公開に対する各候補者のスタンスだけでも確認してみてもいいのではないだろうか。今回は日々の市民生活に直結する意思決定が下される場でありながら、有権者の関心が低い地方自治体や地方議会の情報公開の現状を、情報公開クリアリングハウス理事長の三木由希子とジャーナリストの神保哲生が検証した。

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