主張すべきことは主張できたと思う・被告人質問を終えて藤井市長が生出演
美濃加茂市長
弁護士
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市議会議員時代に業者から賄賂を受け取ったとして逮捕・起訴された岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長は9月4日、ビデオニュース・ドットコムのインタビューに応じ、自らの潔白をあらためて強調した上で、今月17日から始まる裁判で無罪を勝ち取るとともに、今後も市政の課題に積極的に取り組んでいく強い意欲を示した。
史上最年少の市長として全国的にも知られる現在30歳の藤井市長は、名古屋市の浄水設備業者から金銭を受けとったことは一切ないと、収賄の容疑を全面的に否認。自身がこの裁判で負けるようなことがあれば、全国の議員や市長が「市のために」なることを実現するために積極的に動き回ることが難しくなる恐れがあるとして、この裁判で無罪を勝ち取ることの重要性をあらためて強調した。
市長は金銭の授受は一切否定しているが、雨水濾過装置の設置のために業者と会ったことや、市に導入を働きかけたことは認めている。東日本大震災などで防災には水が重要になることを痛感し、非常時に小学校のプールの水を雨水濾過装置で生活用水に利用できるようにすることが市民の役に立つと考えたと語っている。この雨水濾過装置は藤井市長の出身校でもある西小学校に実験的に設置されたが、社会実験という位置づけだったため、市から費用などは支払われていないという。
藤井市長はまた、62日間の勾留中に警察から恫喝的な取り調べを受けたことにも言及した。自身は支持者らの励ましで何とか持ちこたえることができたが、何度か弱気になったことはあったとして、実際は罪を犯していない者を無理矢理自白に追い込んでしまう警察の取り調べのあり方に、疑問を呈した。
藤井市長の主任弁護人を務める元検事の郷原信郎弁護士は、市議時代の藤井氏に30万円を渡したと供述している名古屋市の浄水設備販売会社「水源」の中林正善社長について、氏が別の詐欺事件で既に逮捕・起訴されているほか、公判前整理手続きの過程で検察が開示した証拠によって、氏が総額で4億円近くに上る融資詐欺を働いていることや、そのほとんどが事件化されていないことなどを指摘。詐欺事件の容疑者が藤井氏に金銭を渡したとする供述だけをもとに現職の市長を逮捕した警察、検察の姿勢を厳しく批判した。
郷原信郎弁護士ら藤井市長の弁護団は同じく4日、これまで事件化されていない中林氏の詐欺事件のうち、藤井市長の事件に直接関係する4000万円の融資詐欺事件を名古屋地検などに告発したことを公表している。
藤井浩人氏は美濃加茂市出身、1984年生まれの30歳。大学院中退後、2010年10月、26歳で美濃加茂市議会議員にトップで当選。2013年6月、前市長の病気による辞任を受け市長選に出馬し、自民党推薦候補を破り当時28歳の全国最年少で市長に当選した。現在1期目。
藤井氏の収賄容疑の裁判は名古屋地裁で9月17日に、第一回公判が行われる予定。