2014年5月10日
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厳密な運用基準を施行令に入れるべき
モートン・ハルペリン氏が講演

ニュース・コメンタリ―

 ジョンソン政権以降の米歴代政権で日米関係に深く関わり、政府の秘密指定の指針となる「ツワネ原則」の策定メンバーも務めたモートン・ハルペリン氏が5月9日、外国特派員協会で会見し、政府に莫大な自由裁量を認めている日本の秘密保護法を厳しく批判した。
   「そもそも情報は政府のものではなく国民のものだ。やむを得ない場合に一部秘密指定が認められるとしても、それは限定的かつ明確に定義されたものでなければならない。」ハルペリン氏はこのように語り、昨年12月に成立した日本の秘密保護法の問題点を細かく指摘した。
   とりわけハルペリン氏はオバマ大統領が2009年に制定したアメリカの秘密保護法令にあたる「大統領令13526」と日本の秘密保護法を比較した上で、アメリカの制度では秘密指定できる情報に厳しい制約がある点や、その情報が公開されることで国家安全保障にどのような悪影響を及ぼすかを文書で明確にしなければならないこと、文書全体ではなく段落ごとに秘密指定が必要なのに対し、日本の秘密保護法にはいずれの制約もない点を指摘。12月までに制定されることになっている政府の施行令や運用基準にそうした制約を含めることが重要になるとの認識を示した。
   政府は昨年12月6日に可決した秘密保護法が1年以内の施行を明記していることから、12月までに施行令と具体的な運用基準を策定し、閣議決定をしなければならない。現在、渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長が座長を務める情報保全諮問会議と呼ばれる有識者会議でその内容が議論されている。施行令と運用基準には行政文書を秘密に指定する際の基準やその解除の基準などが含まれる予定。
   ハルペリン氏の講演をもとに、日本の秘密保護法と米大統領令13526の違いと、現在政府の有識者会議で行われている施行令や運用基準作りの課題を、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

 
モートン・ハルペリンMorton H. Halperin
(横浜国立大学名誉教授)
1938年ニューヨーク州生まれ。1958年コロンビア大学卒業。イェール大学で博士号(国際関係論)取得。ジョンソン政権国防次官補代理、ニクソン政権国家安全保障会議(NSC)メンバー、アメリカ公民権連盟ワシントンDC支部長を経て、クリントン政権大統領特別顧問、国務省政策企画本部長などを歴任。現在、外交問題評議会上級フェロー、オープン・ソサエティ研究所上級顧問。専門は外交政策論、核戦略論。著書にNuclear Fallacy: Dispelling the Myth of Nuclear Strategy、The Democracy Advantage: How Democracies Promote Prosperity and Peaceなど。

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