2013年10月5日
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電気事業会計の改正は粉飾以外の何物でもない

電話:大島 堅一氏(立命館大学国際関係学部教授)、細野祐二氏(公認会計士)

 経済産業省は10月1日、電力会社が原子力発電所を廃炉にする際の会計処理を容易にし、その負担を電気料金に上乗せすることを可能にする新たな電気事業会計規則を施行した。これは事実上の粉飾決算を合法化する措置以外の何物でもない。
 原発の減価償却期間は40年に規定されている。そのため稼働から40年を経過していない原発を廃炉にすると、まだ価値の残っている原発を廃棄することになり、その段階で多額の特別損失が発生する。
 1日に施行された会計制度では、この損失を向こう10年間に分割して費用として計上できるように変更した。そのため、電力会社は原発を廃炉にして多額の特別損失が出ても、一気に債務超過に陥る心配がなくなる上に、費用として計上した損失分は、電気料金に上乗せする形で回収することが可能となった。
 これは明らかに福島原発を抱える東京電力の救済を目的にした措置である。原発の経済問題に詳しい立命館大学の大島堅一教授は、「これは粉飾決算以外の何物でもない」と指摘する。
 「本来は価値がないものを価値があるかのように処理することは粉飾以外の何物でもない。廃炉になる原因が事故であってもこの制度が適用されるので、東電の福島第一にもこれが適用されることになる。」
 そもそも今回の措置は、本来は既に破綻している東京電力を、銀行融資や電力債の焦げ付きを避けたい財務省や経産省の思惑で、無理矢理存続させるスキームを作ったことに端を発する。事故の処理費用は国が設置した基金からの「融資」で外見上取り繕うことができても、会計処理まではごまかせなかった。そこで本来は粉飾になる行為を粉飾にはしないような形で会計処理のルールを変更し、何とか中央突破を図ろうとしているのだ。
 いつまでこのような弥縫策を続けるのか。電気料金であろうが税金であろうが、いずれにしても最終的に国民負担となる決定を、国会の審議も経ずに経産省の省令一つで決めることが許されるのか。はたまた、粉飾を合法化するルール変更が許されるのか。電力会社を取り巻くモラル崩壊状況について、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

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