2013年07月27日公開

日本はどこに向かっているのか

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ゲスト

1943年福島県生まれ。67年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。70年早稲田大学大学院政治学科博士前期課程中退。同年産経新聞入社。73年退社、同年一水会を創設し会長に就任。99年会長を退任し現職。著書に『秘めてこそ力』、『愛国と憂国と売国』、『失敗の愛国心』など。

著書

1970年愛知県生まれ。94年早稲田大学文学部卒業。2003年パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了。哲学博士。東京大学大学院総合文化研究科21世紀COE「共生のための国際哲学交流センター」研究員、東京外国語大学非常勤講師を経て、07年より現職。著書に『国家とはなにか』、『暴力はいけないことだと誰もがいうけれど』、『ナショナリズムは悪なのか』など。

著書

概要

 先の参院選では、大方の予想通り自民が大幅に議席を伸ばし、自公連立政権が参院でも過半数の議席を得た。参院で第一党の座にあった民主党は27もの議席を減らし惨敗に終わった。一見、自民党の黄金時代の再来にも見えるが、実際の得票数を見ると、自公の得た票数よりも野党の得た票の合計の方が多い。結局、選挙制度の綾で、野党側に政党が乱立した結果、結果的に自民党の大勝となった。
 選挙結果を受けて安倍政権がどのような政策を前面に押し出してくるかは、今のところ不明だ。公約だった憲法改正に本気で着手するのか、TPPはどうするのか、近隣諸国との外交に対米関係等々、今後の動きを注視したい。
 しかし、それにしても民主党の惨状は深刻だ。選挙での大敗を受けて26日に両院議員総会を開いたが、執行部に対する責任論は出るものの、結局、海江田代表の続投となり、決められない民主党から抜け出ることができそうにない。しかし、より深刻な問題は、これから民主党がどのような旗の下に結集し、何を目標に据えて進んでいこうとしているかが、一向に見えてこないことだろう。
 過去10数年にわたり反自民の受け皿として自民党と対峙してきた民主党が、3回続けて国政選挙に大敗し、事実上政権政党としての資格を失ったことで、また当分の間、野党陣営は小政党に分かれてお互いの足を引っ張り合う選挙を繰り返すことが避けられない状態となってしまった。
 哲学者で津田塾大学学芸学部准教授の萱野稔人氏は今回の選挙について20年間かけて日本が難産の末に生み出した政治改革の流れが、事実上終焉したと指摘する。1993年の自民党の分裂以来、「政治改革」や「政界再編」の名の下に、数多くの政党が誕生と消滅を繰り返してきた。しかし、それが09年に結実した民主党政権が失敗に終わり、民主党が再び小政党に転落した結果、政治は元の木阿弥状態、つまり再び自民党支配の時代に戻ってしまった。
 一方、一水会顧問で長年日本の右翼運動を率いてきた鈴木邦男氏は、自民党が投票年齢の18歳への引き下げやネット投票の導入を目論んでいることについて、若者の保守化によって若者の票が自民党に入ると考えているからではないかと指摘。「自民党と社会党が拮抗している時だったら絶対にやらないでしょう」と語り、民主党の凋落によって、自民党の一人勝ち状態となったことへの危機感を明らかにした。
 この選挙の結果を、われわれはどう受け止めるべきなのか。憲法改正を公約に掲げる政党が勝利し、一度は政権政党にまで上り詰めた政党が没落し、そして衆参の捻れを解消させたこの度の選挙は、長い日本の歴史の中で、どのような意味を持つのか。
 今週のニュース・コメンタリーは、7月21日の参議院議員選挙を受けた特別版として、参院選の結果が示す日本の現状と針路について、鈴木氏、萱野氏とともに、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

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