2020年3月31日
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政府が密かに手に入れていたロックダウン権限を検証する

ニュース・コメンタリー (2020年3月31日)

 東京都内の新型コロナウイルスの感染者数の急増を受けて、緊急事態宣言の発令が秒読み段階に入ったとの観測が広がる中、実は安倍政権は3月末に、強制力を持たないコロナ特措法を遙かに超える、都市のロックダウンさえ可能になる強い法的権限を手に入れていたことが、ビデオニュース・ドットコムの取材でこのほど明らかになった。

 これは3月26日に政府が政令を変更し、新型コロナウイルスを感染症法の33条の適用対象に組み入れたことによるもの。感染症法33条は元々エボラ出血熱やペストなど極めて毒性の強い「第1類感染症」を対象に、消毒などが間に合わない場合に限り、3日間を限度に都道府県知事に汚染地帯周辺の道路の交通を遮断する権限を与えるというもの。封鎖された地域では事実上の移動制限が発動され、ロックダウン状態になるという、私権に対する極めて強い強制力を持つ法律だ。また、感染症法は違反者には罰金50万円以下の罰金が定められているところも、あくまで要請ベースのコロナ特措法と大きく異なる点だ。

 もとより新型コロナウイルスはエボラやペストのような第1類に分類される感染症ではないが、安倍政権は政令で感染症法の33条の適応対象に新型コロナウイルスを組み込むことで、一切の法改正や国会審議を行わないまま、市民に対して極めて強い強制力を持つ権限を手にした。政令による新型コロナウイルスの感染症法33条への組み込みは3月26日の官報の号外で公告されているが、記者会見などでの発表は行われていない。また、現時点では国会でも取り上げられていないため、市民にとっては、ほとんど何の説明もないまま、自分たちの行動を大きくコントロールする強い権限を政府に握られた形となっている。

 新型コロナウイルスの蔓延を防ぐためには、ある程度の私権の制限がやむを得ない場合もあるだろうし、強制力を伴う施策が必要になる場合もあるだろう。しかし、それには透明性のあるデュープロセス(適正手続き)と、国民に対して真摯な説明が尽くされることが大前提となるはずだ。

 今回のように、元々異なる目的で作られた法律を無理矢理適用したり、国会審議を経ずに政令の変更だけで強大な私権を制限する権限を手にした上に、その事実を広く国民に説明しないという政府の姿勢には多い疑問が残る。

 この法律の成立過程での疑問点や問題点、また実際にこの法律が新型コロナウイルスに対して拡大適用された際に、市民社会が注意しておかなければならない点などを、この問題に詳しい政治家や法律の専門家らにジャーナリストの神保哲生が聞いた。

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